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優雅な人たち

今日は久々に剣道に行くつもりだったのだけれど、実験が長引いたために断念。 lysisからカラム3本をかけるとなるとやはりそれなりに時間がかかる。 素振りだけすることにする。

今日は、ボスがバケーション、学生さん1人は論文書き、ほか数人が電顕の実験の準備でラボにいない人が多かったりして静かだった。 さらに今週末から何人かバケーションに出かけるそうなので、更に静かになりそう。しかし、その人達はほんの少し前にもバケーションに出かけていたような。どこにそんなお金が・・・と思ったりもするが、考えてみれば我々が日本に一回帰国する予算で、家族のバケーションと、帰省(ヨーロッパ内)x2くらいの費用は出るのかもしれない。いろいろあって日本に帰らないといけないとは思っているけれど、時間もお金も大変だな、と。どこでもドアがほしい。
日本の学生さんの不遇についてのツイッターを最近よく見かけるのだけれど、UKの学生さんは優雅なもので、適当に実験しながら、時に旅に出かけたりして人生を楽しんでいる(私の周りは)。そのへんの話をまとめて書きたいなと思っているのだけれど、奨学金の種類にもよるのだけれど、良い奨学金だと(税金が取られないのもあって)手取り収入は普通のポスドクよりも多くなったりするらしい。多くは独り身なわけで、そりゃ旅にもでかけますよね、という感じ。

延焼中

この前の炎上問題は、なんとなく落ち着いた感じがしていたのだけれど、ラボ内の不満は別の案件で再び湧き上がっている。今度は契約更新の問題なんだけれど、雇われる側の不満も、雇っている側の不満もわからんことはない。個人的には、しかたねーんじゃね?結果出せてないんだし、というところで落ち着いている。まあ、でも、個人的には”結果が出せてないから”そいう雇用形態(1年更新)でも仕方がない、そういうプレッシャーなんでしょ?と思っていたのだけれど、今日になって、”みんなそうだから”というメールが送られてきた結果、”何をやっても評価しない”という平等主義なんだということがわかり、モヤモヤした気分になる。現在、新ポスドクを募集中だけれど、その人に関してもそういう方針を貫くのか、その人は別枠なのか、そのへんもよくわからない。
現行の雇用関係にある人達に不満があるなら(あるんだろうけど)、信賞必罰をはっきりさせたほうがいいし、それを明言(&実行)したほうが良いのだろうと思う。某超優秀な元同僚やら、某超優秀な構造生物学者が言っているように、ポスドクたるもの年に1報は論文を書くつもりで臨まねばならぬわけで、お前ら甘いんじゃ、と言われれば、おっしゃるとおりであると私なんかはひれ伏すのみ。みんながそうだから、とか意味のわからない理由で方針を転換するのは、愚策だと思われる。”みんな平等”で問題が起こらないのって、みんなそれなり、って場合で、みんな平等に待遇が悪いと悪影響しかないんじゃないかと思うのだけれど。
しかし一方で、みんなお前らのせい、みたいな態度に見えるのも正直なところかもしれない。特に思うのは人口のバランスなのだけれど、PI1,ポスドク5、学生5、テクニシャン1(産休中)って、もうちょっと考えてくれてもいんじゃないかと・・・。学生枠を1減らしてテクニシャンを雇うとか。(産休前の)テクニシャンのカバーする範囲も、明確なルールがなく、結局声の大きい人のサンプルが優先されるという感じで、不公平感がある。戦える陣容を整えて、なんでできないんですか?という話でもなく、お前ら働きが足りんのじゃ!と言ってしまうのは、どうなんですかね?って感じ。

日本に帰りたいかどうかとか

先週話し合った契約更新についての話は、結局、一年契約、更新オプションあり、ということで落ち着いた。なんだか知らないけれど、ビザ費用は支払うみたいな文言もわざわざ書いてあり、ある種のプレッシャーをかけられているのだろうなと思うけれど、スルーしておく。毎年ビザ費用を負担してくれるなら、当座の出費が少なくなる1年契約のほうがありがたいというのもあるし(2400ポンドを一気に支払うのは、かなり堪える)。これで来年更新する事になって、その時HISが値上がりしていたりしたら目も当てられないのだけれど・・・まあ、そのときはその時だな。

契約更新のこともあって、日本に帰りたいのか?みたいなことを、ボスにも相方にも聞かれるのだけれど、まあ、科学みたいなことを続ける限りにおいて、できれば帰りたくない、というのが本当のところ。それは、こっちのほうが仕事がしやすいとか、英語余裕っすとか、こっちでやれる自信があるとか、そういうことでは全然なくて、日本にはあまりに未来がない、っていう消極的な理由。一部の恵まれた場所でポジションが得られるなら別の話だけれど。しかし、そういう場合、焼け野原の真ん中に立つ立派なマンションで暮らすみたいなことが心楽しいかどうかは考えてしまう。
ムーンショットとか、今日話題になっていたこんな話とか、突き抜けて馬鹿げていて、科学者のディストピアと化している日本。美味しいものも多いし、日本語が使えるから楽で良いなあ、みたいなことは思うけれど、科学技術に関しては、国を挙げて諦めたほうが良いんじゃないかと時々思う。だからといって、日本の科学難民を他国が受け入れないといけない理由もないし、他の国でも同様にPhDはだぶついている傾向にあるのだし、優秀じゃなければどこに行ったってだめ、ではあるのだけれど。しかし、未来になにか感じられなければ(それが幻想であれ)、困難な境遇に耐えるのは難しい。
ところで、某首都圏の大学の公募を見ていたら、ポスドクで採用の場合で20万円、特任助教では30万円の月給だと言う。別段輝かしい業績を叩き出している研究室でもなく、それでも人が雇えるからいいという話なのか、そういうものだから、なのか、なんか見ているだけで辛い。大学の規定ってわけではないですよね?”大学が定める規程に基づいて”と募集のページにあるのだけれど、給与もやはり規定なのか。
博士を取…

炎上中

先日の複雑な話は、やはり権利の問題となってラボ内の一部で炎上している。私も関係者なのだけれど、炎上している話し合いの場には呼ばれることなく蚊帳の外。まあ、いいんだけど。やることをやるだけ。
これ関連の他の人の話を聞いていて思ったこと。 私はボスはお金さえとってきてくれたら基本的には満足しないといけないと思っている。そこから先はおまけみたいなもの。メンターシップとか、あればあったに越したことはないのだろうけれど、なかったら自分でなんとかしていくしかない。日本みたいに”メンターシップどころか論文だってろくに書けない”なんて人は流石にいないだけ断然マシだと思ってしまうのは、生国のおかげというか、なんというかなんだろうな。 人員配置のまずさが今回の問題の発端な気もするのだけれど、そちらはこれからの参考にさせてもらうとして、今はやれることを頑張るしかない。

今日は先日切々と書き上げたラボプロトコールに関する意見を検証する実験。断然収量が上がり、とりあえず私がやっていることは正しいような感じ。難しいサンプルはメソッドを見直す機会にもなるのがいいような気がするが、やはりポスドクのワンオペでこういうことをするのは辛い。学生時代だったらいい経験なんだろうし、流れ作業をテクニシャンがやってくれるとかいう優雅なポスドクだったらいいのだろうけれど。まあなんにしてもいい方向に向かいつつあるのは嬉しい。

変なタンパク

結晶化に取り組んでいる某タンパク質は、なかなか結晶化しない。前任者がいろいろとコンストラクトを作ってくれているのだけれど、彼のノートを見ていても、どこまでやっているのかよくわからない(電子ノートなのはいいんだけど、gelの写真とか貼ってないので、どんなサンプルだったのかよくわからなかったりする)。なんか、引き継ぎのときに聞いた話と、ノートの記載とが一致しなかったりするし、精製から先のことはあまり信用せずに、良さそうなのを片っ端からやってみることにした。
基本的な性質は大体わかってきているので、コンストラクトを変えても発現・精製は比較的簡単にできるようになっているのだけれど、こんかいのコンストラクトは他のものとちょっと性質が違うようだった。
今回のコンストラクトは可溶性を高めるであろう某タンパクとのフュージョンタンパクなのだけれど、これが何故か可溶性を高める方に行かない。精製途中では問題にならなかったのだけれど、いざ結晶化のために濃縮してみると、濃縮途中で白濁してしまった・・・。あちゃー、と思いはするのだけれど、そこは年の功で焦ったりはしない。ピペットで混ぜていると、段々と白濁が消えていく。何度か同じことをしていると、どうもある程度の濃度で温度が下がると沈殿して、温度が上がればもとに戻るらしい(そんなタンパク前にもあったぞ)。残念ながら、普通のバッファーでは濃度を高くすることができなかったので(常温での濃縮は試してないけど)、低濃度、ドロップサイズ大きめで6プレートほど仕込んでみた。さてどうなるか。

事情は複雑

色んな所でラボ内コンペティションな状況が生まれていて、なんだか疲れることである。あるコンプレックスについて、何人かでやるとこういうことになるという好例。しかし、このコンプレックスについて、ポスドク1人ですべてがカバーできるかといえばそうではないだろうし、仕方がない、と思うところもある。仲良くやりたいところだけれど、そんなに歩調が揃うわけもなく、難しい。
今回のは、コラボレーターが出したデータをどう使うのか、という案件。某氏がやる某ドメインは機能には大事であるが、コンプレックスの形成には重要ではなく、私(たち)がやる某ドメインは、機能にもコンプレックス形成にも重要であるということを示したデータ。某氏は、”機能に重要だがコンプレックス形成には重要でないから”私はこのドメインをやったんだ、というような話の展開のためにこのデータを使おうとしている。論理としては、わからんこともないけど、なんか、まあ、釈然としない論理展開な気がする。そもそも、結合する、というデータが、結合するためだけに存在する、ということは意味しないわけだし。結合しないから、というのを理由になにか始めるってあまりリーズナブルな説明ではない。その他に某氏のやる某ドメインの機能について説明するデータがあまりないので、付け足しのように我々のやっているドメインのストーリーに使えるデータを無理やり使っているような気がしないこともない。というか、ファンクションのデータが有るなら、結合についてのデータを使う必要はなくね?とこちら側としては思うわけである。トータルして、それが最も効果的なデータの使い方ならばいいけど、さてさてどうなんですか?というところ。しかしこれは、私達がやっているドメイン側の話をだすときに、”結合とは別の”ファンクショナルなデータを要求される公算がたかくなるという多分に個人的な事情でそう思っている可能性も高く、客観的に見てどうなんかというところ。
更にボスから話を聞いていると、事情は更に複雑であり、コラボレーターが何年か前に出したデータを、(適当なところで)パブリッシュしようとしたのをこちらが止めた(止めている)という経緯があり、相手側の元ポスドクの意見も重要になってくるということらしい。そのへんの事情を説明されれば、今の流れも納得せざるを得ないところがあるのだろうけれど(そもそも他の人のデータだ…

ケンブリッジ大学はどこですか?

先日、ケンブリッジのまちなか(pembroke collegeの前)のバス停でバスをまっていると、観光客らしい家族連れの気の良さそうなお父さんに話しかけられた。エジプトとか、あのへんの人かな、という感じの雰囲気。 ”ケンブリッジ大学はどこでござるか?” と申される。その質問は非常に難しいので、一瞬考えてしまった。すると、 ”け・ん・ぶ・り・っじ・だ・い・が・く、どこ?” と、区切って言ってくれたんだが、いや、聞き取れないんじゃなくて、その質問の答えが難しいってことなのだよ。 気を取り直して、 ”目の前のカレッジもケンブリッジ大のカレッジだし、あれもそうだし、街中にケンブリッジ大のカレッジやら研究所やらがいっぱいありますよ” と教えてあげたら、 ”おう、そうかそうか。あっはっはっは。そうなんだってよ(家族に向けて)。ありがとよ” といいながら陽気に去っていった。まあ、楽しげだったので面白かった。
ケンブリッジには31のカレッジがあり、その他に学部やら研究所やらがある。そもそもケンブリッジの街って大きな街ではなく(人口12万くらい)その小さな町に大学の施設がそこかしこに散らばっているので、まちなかを歩いていればその視界の中には大学関連の施設があることが多い。
ケンブリッジ大学の本部って一体どこなんでしょうね?知りません(用がないし)。
同じような経験をサンディエゴでもした。その時は、”UCSDってどこ”と、UCSDの敷地の端っこあたりで車に乗った女性に言われて、”眼の前に見える建物全部ですけど”と答えると、”ああ、そう”と走り去っていった。なんとなく、その施設関連の立場にいると、知っていることが当たり前、という気分になってしまうけれど、関係ない人にとっては、知らなくて当たり前なんだよな。