ニュース:NIH予算の削減案


トランプ大統領の発表した予算教書で科学会がざわついている。
生物関係では、NIHの予算を20%削減というのが最もインパクトが大きいだろう。少し前までアメリカにいたし、生物学研究者の端くれとしても大いに気になるニュースである。 20%って、大変なことである。
NIHは国立衛生研究所と訳されているけれど、自前の研究所を持ちつつ、アメリカの生物医学系の最も大きな予算分配機関としての役割も果たしているので、その予算が削られるということは、アメリカ全体の生物医学系の予算が削減されることを意味する。アメリカは、比較的物よりも人にお金を使っていることが多いと思われるので、それはつまり、多くの人の首が切られることも意味している。
科学業界でトランプ支持だった人は、いないからほぼいないの間程度だったと思われるので、元々科学嫌いのトランプとしては一番気軽にトランプ色を出せる部分なのだろう。

色んな所から声明がでていて、大騒ぎの様相だけれど、アメリカの予算は大統領が言ったらそれで決まり、というわけではない。オバマ政権時代に予算が議会を通らずに結局国の機関の多くが休業することのなったことがあったが、大統領が議会に予算教書を提示して、議会で話し合って最終的な予算が決まるので、今回の件も20%削減がそのまま通るとは思えない。現在は上下両院とも共和党が多数だが、共和党同士でも大統領と議会との折り合いはそれほど良いわけでは無さそうだから、ここでもすんなりと大統領の思い通りに予算が決まるわけではないだろう。しかし、20%とはいかないまでも、削減は否めないんだろうな。

知らないくせに勝手なこと言いやがって、と言ってしまうのも違う気はするのだが、単純な政治的な思惑だけで予算が右往左往するというのもまた困ったものだと思う。政府だけにたよらずに資金を調達しろということなのだろうけれど、それもまた難しいのだろうし。いや、でも、常に考えていかないとならないことなんでしょうね。

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