研究生活:大振りなプロジェクトに悩む


ケンブリッジへ来て暫くして、こんなことをのんきに書いていた。

書いていることには全く同意するのだけれど、残念ながら現実は全くそれに即していない。なんかよくわからんが、大振りなプロジェクトが3つ目の前にあるみたいな状況で、どれも上手く行かなかったらどうするんでしょうね?と心のなかで思いつつ生きている。

プロジェクトのラインナップだけ見ると、血気盛んな(それでいてかつ馬鹿な)大学院生のようである。”おれネイチャー出したいっす!!”ってなものである。私が見たら、”まあ、そうだろうけどさ、冷静に考えてみたほうが良いよ”と言ってしまうかもしれない。しかしまあ、現実には馬鹿な大学院生みたいなことを自分がやってしまっているわけで、なんともかんとも・・・。最初は大きいの二つ体制で、うまくいきそうなものを見極めながらやっていきましょう、という感じだったのだけれど、どちらも微妙な感じで進行し、さらにもう一つ(あるいは2つ?)の大きなものが、同僚がそれを諦めたために私のところに回ってきて、今の状況となっている。一つの流れに乗っていると思われるタンパクたちでは有るが、一つ一つ重厚長大なもの転がってきてしまったものは仕方がない自分で勝手にプライオリティを決めて頑張るしか無い。

こういう状況は、電顕で仕事をしようとするとありがちな現象なのかもしれない。でっかいものを見ようとして(今のクライオ電顕でのタンパクの構造解析では、取り敢えずサンプルのサイズが大きくないとデータが取れない。そして、それは多分、サンプルを得るのに結構な手間暇とお金が必要だろうということを意味する)、その費用対効果を考えると重要な(つまりなんかちょっと洒落た雑誌に載るような)サンプルを選ぶしか無く、その結果、手持ちのプロジェクトはなんかネイチャーっぽくね?みたいなものばかりになって、だからってホイホイと事が進むわけもなく・・・・とついついネガティブに考えてしまうが、うまくいくように考えないと、と自分を奮いたたせる。

最後に転がってきたサンプルは、どうやら”買うことの出来る”サンプルらしく、買えば?と言われて驚愕する。いやいや、いくら掛かるんですか?大体あんまりキレイに精製できてもないサンプルを構造解析用に買った後に精製したら、それこそ湯水のようにお金をつぎ込まないと駄目ですよ?と心のなかでつぶやく。まあ、言い出したのは大学院生だからわからんこともないが・・・。

しかし、そこで考えさせられたのは、どこまで金で解決するか(できるか?)っていうところ。アイディアが、というような部分ももちろん多分にあるのだけれど、金がかかるからそれはちょっと・・・・と言っているといつまでたっても前に進めないという場面も多い(発現しないタンパクはどんなに頭を捻っても発現しない)。だからって無尽蔵に予算があるわけではなく、ここってどんだけ使って良いところ?と下々の頭のなかでもそろばんを弾かねばならないだろうと思う。実は自分の給料が実験にかかる費用よりも高額だったりもするわけで(安いけどね)、変なことに時間を費やすよりは、”適切に”お金を使って解決し、さっさと”ネイチャー的”なデータを出してくれる人が優秀な人なのだろう。

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