研究生活:もっとお喋りであったなら


私はあまりeasy goingな質ではない。ルームメイト探しの広告に”easy goingなルームメイトを探してます”とか書かれていると、”easy goingってなんですか?なんか凄く仲良く、週末とか一緒に遊んだりしないといけないんですか?”とか、いろいろ考えて、マジで緊張し、連絡を取ることができないような感じ。この欧米社会にあっては(日本でもある程度そうなんだろうけど)、残念としか言いようがない(かも知れない)。欧米でPIになるような研究者の多くは、ニカッと笑って、科学から社会問題、日常の話題までペラペラと楽しく話せる人たちだ(一部そうではない人もいるようには思うけど、そういう人はこじんまりとやっている印象がある)。
見ていると、なんかもう、土台がちがうな、というレベルで色んな人と感じよくお話できてしまう。元々頭もいい上に、日頃の話題の収集にも余念がないのだろうと思う。オレなんて田舎育ちで人付き合いが下手くそで、”なんともし難いっす”と、言いたくてこの記事を書き始めたのだけれど、今のボスなんて、結構どうでもいいレベルの日本についてのニュースなんかを振ってきたりすることがあるので、普段から使える話題をネタ帳にでもストックしているのかもしれない。
そう言えば、少し前に読んだ百田尚樹氏の新書でも、結局話題を記憶していることなんだと言うようなことが書いてあった。面白い話題を収集して、それを記憶して整理して、いつでも話せるようにする。もうそれこそ、不断の努力の結晶なのかもしれない。
確かに、ニュースだの、ブログだの、ダラダラ見たり読んだりしていても、曖昧に、そんな話があったよなあ、というレベルでは話を盛り上げることはできない(話が明確で、数字なんかで情報が補足されていると尚良い)。ちゃんと記憶して、整理して、面白い話題として提供する準備を怠らないというのが話芸の基本なのではないかと思い始める。なんで研究者になって話芸について考えないといけないのかと思うし、みなさまもそう思われるかと思うけれど、いやマジで話芸って大事なんですヨ、と思う今日このごろ(ただ笑いだけとっていても駄目ですけどね)。

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どんな職業でもそうなのだろうけど、研究の世界に入ってみると、入る前には想像していなかった能力が必要だと感じることが多い。研究を遂行する能力はもちろんだし、金を取ってくるアイディアを思いつく能力も、金を取ってくる文章力も、研究を発表する文章力も、面白く発表するプレゼン力も、人を引っ張る能力も、みんなと仲良くする能力(コラボレーション)も、そしてそれらを継続する能力も(忍耐力だか、精神力だか、楽観力だか、単純に好奇心なんだか知らないが)、どれがかけても(多分)研究業界でサバイブすることは難しい。
金をとって、研究して、発表して、金取って、研究して・・・という絶え間ないサイクルを続けるための、あらゆる能力が必要なんだ、というようなことを高校生や大学生に向かって言っても仕方がないのかも知れないが、漫画にでも出てくるような、フラスコ振って”ウィえへっへっへ”って言っていれば生きていけるという世界でもないって伝えることは、進路選択上の大事な情報になるのではないかと思ったりするのである。そういう能力が必要だと思って鍛えたほうが、研究職以外の仕事にも役立つかもしれないし。なんにしても、”自分、不器用ですから・・・”と思って(人付き合いが無くても大丈夫そうだという間違った職業観に従って)研究業界に進もうと思っているのなら、それは大きな間違いである可能性は高い。

なんでこんなことを改めて思ったかって、最近よく顔を合わせる(爽やか系)イタリア人のご近所さんと、もっと楽しくお話できたら良いのになあ、と思いましたよ、というだけなのだが。

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