読書:司馬遼太郎、街道をゆく、愛蘭土紀行II


司馬遼太郎、街道をゆく、愛蘭土紀行のI ・II刊を読了しました。バス通勤は運動不足にはなりますが、読書の時間が出来るのは有り難い。

前にも書きましたが、イギリスとアイルランドの関係性を見るのにはとても良い本だったように思います。ただ、ちょっと司馬さんの想像に任せている部分も多く、ちょっと偏ってない?という部分があるのは否めませんが・・・。そしてやはり、EU以前(EC時代)のアイルランド、まだケルティックタイガーなんて言われる遥か前のアイルランドの話であるというのも忘れてはいけません。この本を読んでも、今のアイルランドを想像するのは難しい。ただ、そういうバックグラウンドがあって今があると知るのには良いと思えます。当時のアイルランドは、”アイルランドから若者がいなくなる日”なんていう記事がニューズウィーク日本版に取り上げられ、大卒の就職先が無く、多くが他の英語圏に職を求めて移住していた時代。その記事の中で、”いずれは、移住できる人間さえいなくなるだろう”なんて大学教授がコメントしたりしていたようですが、今や移民を受け容れさえする国です。司馬さんが行った頃の物語的な雰囲気は遠くに残しつつ、経済面でもなんとか頑張ってます、という国になっているような気が。それは、アイルランドには良かったのだろうけれど、イェーツとか、ベケットとかの世界に浸りたい人にとっては残念なことなのかもしれないな、と思います。
話の中に日本人留学生の方も何人か出てきますが、そんな時代(1980年代後半)に遥々アイルランドくんだりまで留学に行っていた日本人の先達がいたというのにちょっと驚きました。いやまあ、文学とか研究している人にとっては、そんな時代だからこそ良かったのかもしれないけれど。

全体的に歴史家的視点でのアイルランド、物語の国(妄想の国)アイルランド、という感じで綴られているので、観光ガイドには(もちろん)なりませんが、アイルランドを訪ねる際、読んでいたら面白いかもね、と思える本でした。ま、頭でっかちになって、そんなことをアイルランド人に語ったら嫌がられそうな気もするので、あくまで参考までに、って感じが良いのだとは思いますが。

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